年間フル回転でかわいいを卒業じゃ!

 広島一岡竜司投手(23)が11月30日、広島市内で木村省吾内野手(34)とともにJRAのイベントに参加。今村、大瀬良と「カピバラ3兄弟」の異名を取る人気者らしく「かわいい!」と大声援を受けたが「ありがたいけど、うれしくない」とキッパリ。来季こそシーズンを通じての働きで男っぽさを感じさせる構えだ。

 「う~ん。かわいいと言われるのは、ありがたいですけれど、正直、あまりうれしくないですね」。一岡ははにかみながらもキッパリ話した。

 この日は「ウインズ広島」で開催された「ドリームフェスタ2014」でのトークショーに木村とともに出演。約1000人のファンを前に笑顔を振りまいた。

 一岡といえば、ルーキー大瀬良、今村とともに表情が似ているなどでファンの間で「カピバラ3兄弟」と言われるなど、女性受けするかわいらしさが有名。カピバラ3兄弟のイラストTシャツも登場した。この日も客席のカープ女子の間から「かわいい!」と声援が飛んだ。

 だが本人はそれを歓迎しているわけではない。かわいいと言われるより、戦力として頼もしいと思われたいのが野球選手としての強い思いだ。

 巨人に移籍した大竹の人的移籍で入団した今季はセットアッパーとして前半戦のチーム躍進を支えた。6月8日オリックス戦で、右肩違和感を訴えて出場選手登録を抹消されるまで23試合で1勝2セーブ、防御率0・78の好成績だった。

 しかし離脱し、ファン投票で選出された球宴を挟んで1度は1軍復帰したが8月に再発し、結局、終盤の上位争いには戦力になれなかった。

 「自分がいれば、どうこうとは言えないけれど故障したのは悔しかったです。でもこれをいい経験にして、来季は開幕1軍から1年間、野球のできる体で過ごしたいです」

 現在は故障後から取り組んでいる右肩周辺の筋力トレーニングを継続。広島2年目の来季、セットアッパーとして君臨すれば悲願の優勝は見えてくる。【編集委員・高原寿夫】