2000万円アップで漫画大人買いだ。西武の2年目サウスポー守護神、高橋朋己投手(26)が3日、西武ドームで契約更改交渉に臨み、今季の1500万円から2000万円アップの3500万円で更改した。資格のあった新人王は逃したものの、堂々の29セーブ。侍ジャパンにも選ばれ、日米野球にも登板するなど飛躍の1年だった。倍増以上の昇給。使い道を問われると「漫画買います。大人買いです」と即答した。

 自宅ではテレビを見ない。風呂に入っても手放さない。漫画を読む時間が「幸せです」と、うっとり。自宅には6畳ほどの漫画部屋があり「7つくらいある」と言う本棚に、びっしりと並んでいる。「500冊はゆうにあります。今一番好きなのは『ナルト』と『はじめの一歩』です。はじめの一歩、読み返すと面白いですよ。シュートとかテニスの王子様とか買おうかな」と楽しそうに話す。

 買い方にもこだわりがある。新品は求めない。「ブックオフを巡って、探すのが好き。1万円持っていけば、幸せな気持ちになれますよ」。1度に全巻買うのも好きだが、中古の場合「6巻が抜けていたりする。それを違う店に探しに行く、見て買うのがいいんです」と力説する。

 漫画のような飛躍の年だった。入団時に肩を故障していた左腕が2年目は抑えを務め「感謝の気持ちでいっぱいで、投げられたことが幸せ」と話す。日米野球で日本ハム大谷を見て、自分のスタイルの正しいことを再確認したという。「ロッカールームではかわいい10代なのに、マウンドですごい。思い切り投げることが大事と分かった。僕も、このスタイルを、肩がぶっ壊れるまで続けます」と劇画調に言い切る。「来年は今年の結果を乗り越えます」。宣言を実現した時、自身がヒーローになっているはずだ。【金子航】