日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が、先人たちの言葉を吸収した。23日、千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレに励んだが、そこに日本人初の大リーガーで「マッシー・ムラカミ」の愛称で親しまれた村上雅則氏(70)がサプライズ訪問。現在は日本ハムOB会幹事長を務めており、この日は偶然、練習を見学していた。

 集中していた有原は「全然わからなかったです」と苦笑い。直接、話す機会には恵まれなかったが開拓者の歩みは知っていた。64年にメジャー初登板し通算54試合5勝1敗。75年に日本ハム移籍後も中継ぎで活躍した村上氏から「目先の1勝より将来の100勝が良い。200勝も出来る可能性はある」と太鼓判を押された。

 将来的なメジャー挑戦も夢見る有原は「ありがたい言葉。頑張るだけです」と発奮した。右肘痛の影響でスロー調整中も、村上氏は「あまり飛ばさないようにするのが1番」と賛同。キャッチボールの距離は10日の合同自主トレ初日の約30メートルから、この日は60~70メートルまで伸ばした。有原は「だいぶ投げられるようになってきました」と日に日に手応えは増している。

 練習の最後にはプロ21年のキャリアを持つ、日本ハム金子誠チーム統轄本部特命コーチ(39)の講義に出席。約1時間、「慣れることは大事。なれ合いと、なめることは許さん」など実体験を元にした話に、夢中で聞き入った。「まだ慣れる段階になっていないけど、これから意識していきたい」。偉人たちの声に奮い立った思いを、力に変えていく。【田中彩友美】