<東京6大学野球:明大7-0早大>◇第3週第2日◇28日◇神宮

 右肘の違和感で戦列を離れていたドラフト1位候補の目玉右腕、早大・有原航平投手(4年=広陵)が今季初登板で復活をアピールした。6回から救援し3回を無安打無失点。5三振を奪う好投で日米10球団のスカウトをうならせた。チームは明大の柳裕也投手(2年=横浜)に1安打に抑えられ敗れたが、エースの復帰は明るい材料となった。

 早大の有原が神宮のマウンドに戻ってきた。4点を追う6回。先頭打者の5球目だ。ゆったり振り下ろされた右腕から、148キロの直球が繰り出され一ゴロに仕留めた。表情を変えず、その後も淡々と右腕を振った。奪った5三振の決め球はすべてカットボールで37球中直球は10球程度。最速に8キロ届かなくても、無安打無失点に抑えた。

 実戦は2日のホンダ戦以来。肘の違和感は大学入学後初めてで毎日のように通院した。ケアにいそしみ、帰寮が終電近くになることもあった。「真っすぐの球速はまだまだですが、変化球はしっかり腕を振って投げられた」と、実戦から遠のいた不安を脱し、多少の笑顔も見られた。

 それでもチームは明大に連敗し、エースは重く受け止める。「次に向けてしっかり練習していきたい」と、右腕は次の戦いを見据えた。【和田美保】