日本野球機構(NPB)は28日、侍ジャパンのカブス鈴木誠也外野手(28)が3月のWBC出場を辞退することを発表した。代替選手は「未定」としている。

米国時間25日(日本時間26日)、米アリゾナ州メサでのカ軍キャンプ中に左脇腹の張りを訴え、出場予定だったオープン戦を欠場。MRI検査を受け、この日までに検査結果が出た。3月9日に1次ラウンド初戦を迎えるWBCの出場を断念せざるを得なくなった。

鈴木本人は侍ジャパンの一員として、3大会ぶりの世界一へ挑む強い決意を抱いてきた。オフには肉体改造に励み、昨季終了後より、10キロ増の106キロまでパワーアップ。カブスでの2年目の戦い、そしてWBCでの覇権奪回も見据えていた。だが、5年総額8500万ドル(約110億5000万円)の契約を結ぶ鈴木はカ軍の至宝。脇腹は無理が利かない箇所でもあり、シーズンを考えればWBC出場には踏み切れなかった。

侍ジャパンは大きな柱を欠いて、WBCを迎えることになる。鈴木は17年の前回大会を経験し、19年のプレミア12と21年東京五輪では4番を務めた。今回も村上、大谷、吉田らとともに、主軸を担う立場。主砲には左打者が多く、米国の野球を知る右打ちの鈴木の存在は貴重。守備では正右翼手として期待されていた。鈴木の離脱で、栗山監督は攻守に構想の再考を迫られる。