試合前から場内が「ショータイム」と化した。侍ジャパンの大谷翔平投手(28=エンゼルス)が、すさまじい打球を連発した。チーム合流2日目、ラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)とともにフリー打撃に登場。27スイング中、9本の柵越えを放った。

2セット目の5スイング目、高く上がった打球はセンター方向へ。スタンドインすると、「どう?」と言わんばかりに両手を広げ、ファンを沸かせた。

圧巻は3セット目。センター方向への1発からスタートすると、2本目、3本目は右翼の5階席まで飛び込む超特大弾を放った。大谷自身もバンザイして喜び、周囲を盛り上げた。

メジャー屈指のパワーを誇る大谷のフリー打撃を一目見ようと、チームメートも徐々に打撃ケージ裏に集まり、村上宗隆内野手(23=ヤクルト)ら野手だけでなく、ダルビッシュ有投手(36=パドレス)も見守った。

打球が上がるたびに、大勢の観客から歓声と拍手が上がる「ショータイム」は約10分で終了。プレミアムな時間に、場内は大いに盛り上がった。

◆バンテリンドームでの特大アーチ 97年パウエル(中日)は4月12日のヤクルト戦で、山本のフォークを捉えると、打球は左翼5階席へ。飛距離160メートルと認定される特大アーチになった。09年ブランコ(中日)は、5月7日広島戦で前田健の直球を捉えた打球が、左翼天井に設置されたスピーカーに直撃。推定160メートルで、97年に開業した同球場では初の認定本塁打となった。

◆他球場での特大アーチ 88年ブーマー(阪急)は、7月13日西武戦(西宮)で渡辺から左翼場外の道路まで飛ばす推定162メートルの特大弾。90年ブライアント(近鉄)は、6月6日日本ハム戦(東京ドーム)で角から中堅上のスピーカーに直撃する推定170メートル弾。日本初の認定本塁打となった。05年カブレラ(西武)は、6月3日DeNA戦(インボイス西武)で三浦から左中間天井の通気孔に直撃する1発。推定180メートルの特大弾になった。