ボクシングのWBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(31=BMB)が「ゆくべき道」に迷っている。
「この階級で最強を極めたい」とライトフライ級での4団体統一を掲げた。しかし、4月8日に当初予定されたWBOとの3団体統一戦は、王者ジョナサン・ゴンザレス(31=プエルトリコ)がマイコプラズマ肺炎で来日不可能となり、消滅した。父の寺地永会長は「もともとやりたくなかったと聞いている。このまま逃げ切られるかもしれない」と裏事情を明かす。
バンタム級で“モンスター”井上尚弥(29=大橋)がベルト統一の快挙を遂げたが、その実力だけでなく、時の運もなければなしえない。31歳の寺地は「時間がかかるようなら考えないといけない」と話す。現実に次戦はWBCの指名挑戦者、同級1位ヘッキー・ブドラー(34=南アフリカ)との防衛戦が避けられない状況。WBAの動向も含め思い描くプラン通りには進めない。
年齢を重ねることで、懸念されるのが「体重調整」。その点について、寺地は「減量うまくなってるんです」と言った。ライトフライ級のリミットは48・9キロで、1階級上のフライ級は50・8キロ。この約2キロ差が天国と地獄だが、寺地は克服している。
ボクサーにとって「宿命」といえる減量は、各自の工夫が興味深い。寺地が先日明かした減量法は、1週間の断食という。父の永会長の知り合いでもある専門家の指導を受けた。約1週間、酵素ドリンクだけで固形物はいっさい摂取しない荒療治。寺地は「一般の人にはお勧めしない」と笑って言った。
激しい練習をしながらの「断食」。寺地は「立ちくらみはありますね。最も怖いのが宅配便。寝ている時にピンポンが鳴って、出ていく途中に気を失いそうになったこともあります」。一方で、内臓の動きがより活発になるメリットもあったといい、「便秘気味だったのが治った」。試行錯誤、さまざまな経験を乗り越えてきたからこそ、たどり着いた成功がある。
そんな過酷な減量に今後も立ち向かう意欲はある。「まだまだ強くなれると感じている」。減量との戦いの先に可能性は広がっている。【実藤健一】


