WWEマットはビンス・マクマホン会長&CEO(77)の引退後、トリプルH(53)がクリエーティブ部門と選手関連部門の現場責任者に就任した。20~21年まで新型コロナウイルスの影響による経費削減のために選手、スタッフら100人以上が解雇&契約満了となったが、新体制移行とともに退団した選手たちが復帰している。第43回「WWEの世界」は10月1日現在でWWEにカムバックした主要メンバーたちの現状をまとめた。

  ◇  ◇  ◇  ◇

<1>ブラウン・ストローマン(39) 最高位王座の1つ、WWEユニバーサル王座も獲得し、「巨獣」の愛称を持つ人気レスラーだったが、昨年6月に突然、解雇。他団体と契約することなく、今年9月5日のロウ大会から電撃復帰。チャド・ゲイブル、オーティスのユニット「アルファアカデミー」らと標的に大暴れしている。

元WWEユニバーサル王者の「巨獣」ブラウン・ストローマン(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
元WWEユニバーサル王者の「巨獣」ブラウン・ストローマン(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

<2>カリオン・クロス(37)&スカーレット夫人(31) WWE傘下のNXTでNXT王座2度の戴冠した実力派。ルーマニア系米国人のスカーレット夫人をセコンドにつけた人気夫婦コンビだったが、昨年11月に解雇。その後、「キラー・クロス」のリングネームで米団体MLWや新日本プロレスの米マットに参戦していたが、今年8月5日のスマックダウン大会で電撃カムバック。WWEヘビー、ユニバサール統一王者ローマン・レインズや元WWEヘビー級王者ドリュー・マッキンタイアと抗争を繰り広げ、最高位シングル王座獲得を狙う。

カリオン・クロス(左)とスカーレット(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
カリオン・クロス(左)とスカーレット(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

<3>ダコタ・カイ(34) NXTを主戦場にしていたが、今年4月に解雇を通達。WWEマットから去ることになったが、今年7月に再契約し、ベイリー、イヨ・スカイ(紫雷イオ)との3人ユニット「ダメージCTRL(コントロール)」を結成。先月にはスカイとのコンビでWWE女子タッグ王座を獲得するなど勢いづく。現在はロウ女子王者ビアンカ・ブレア、アスカ、アレクサ・ブリスらと抗争を繰り広げる。

ベイリー(左端)、イヨ・スカイ(右端)とユニットを組むダコタ・カイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ベイリー(左端)、イヨ・スカイ(右端)とユニットを組むダコタ・カイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

<4>ジョニー・ガルガノ(35) 16年にWWEと契約を結び、参加のNXTを主戦場としていたが、昨年12月に解雇された。8月22日のロウ大会で約9カ月ぶりに復帰し、NXT時代に盟友だったオースティン・セオリーに牙をむいている。

ジョニー・ガルガノ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ジョニー・ガルガノ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

<5>キャンディス・レラエ(37) ガルガノの妻で今年2月に第1子が誕生した後、同5月にWWEと契約満了。そのまま退団となっていたが、9月26日のロウ大会で再登場。背中に羽根がはえた「紫の妖精」コスチュームで入場し、復帰戦ではニッキー・A.S.Hを「102秒殺」した。

「紫の妖精」キャンディス・レラエ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
「紫の妖精」キャンディス・レラエ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

<6>ヒットロウ “トップ・ドラ”AJ・フランシス、アシャンテ・ジー・アドニス、女子レスラーのF-FABの3人組ユニット。NXTで人気アップし、昨年10月にWWEドラフトでスマックダウンに昇格したものの、翌11月に急きょ解雇の憂き目に。米団体GCWなどに出場していたが、8月13日のスマックダウン大会で再びカムバック。ノリの良い男女ユニットがマットに熱を与えている。

アシャンテ・ジー・アドニス(左端)、B-FAB(中央)、トップ・ベラ・AJフランシスによるユニット「ヒットロウ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
アシャンテ・ジー・アドニス(左端)、B-FAB(中央)、トップ・ベラ・AJフランシスによるユニット「ヒットロウ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.

トリプルH新体制で次にカムバックする大物として注目されているのが、“ザ・フィーンド(悪霊)”として人気レスラーだった元WWEユニバーサル王者ブレイ・ワイアット(35)だろう。21年4月のレッスルマニア37大会でランディ・オートン戦を最後にマットを離れ、同年7月にWWEを解雇。今だ他団体にも出場していない。

海外メディアのインタビューで、トリプルHは「私が今まで出会った中で最もクレイジーでクリエーティブ人の1人」と怪奇的かつ、独創性のあるレスラーとして高く評価している。またWWE女子タッグ王座を巡る問題で退団したサーシャ・バンクス、ナオミ組の復帰も期待されている。現在、解雇されたレスラーたちの復帰劇もWWEファンにとって大きな注目となっている。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)