「(中に)入れずにジャブでバシバシ(パンチをもらう)というのは嫌なので、思い切っていく感じですね」。前に出れば被弾のリスクも高まるが、覚悟は決めた。スパーでは「構えすぎて良くなかった」1回はすっと足が出なかった。修正した2回は前に出た。だからこそ、強いパンチも打ち込めた。「中に入れば展開を作れる。その状態を作れるか」とにらんだ。

 公開練習に集まった報道陣、関係者は80人を超えた。名門帝拳ジムでも異例の多さに「この試合を決めるために多くの方々にサポートしてもらったので、結果で恩返ししたい」と使命感もにじむ。会見の最後、初めてボクシングを見る人への言葉を求められると、「ボクシングは恐怖と闘うスポーツ」という3階級王者長谷川穂積の言葉を引用して、こう言った。

 「殴って殴られて、今まで勝ってきた自分を失う恐怖があり、それに立ち向かった先に何か見えるものがある。そういった姿を見ていただければと思います」。【阿部健吾】