ボクシングのダブル世界戦(13日・エディオンアリーナ大阪)の調印式と前日計量が12日、大阪市内で行われ、4選手はいずれも1回でパスした。リミットの48・9キロちょうどのWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)は、念願のWBA同級王者田口良一(ワタナベ)との統一戦の実現に向け、堂々とKO宣言した。挑戦者のパランポン(タイ)は48・7キロ。

 挑戦者を横にしても、田中は見向きもしなかった。「明日(13日)はすごい試合にします。圧倒的な内容で勝ちます。隣に座っているだけじゃ(パランポンの)印象は分かりません。見てなかったので」。2度目の防衛に成功すれば、熱望してきた田口との統一戦に大きく前進する。

 「これ(防衛戦)だけに集中していきたい」と表情を引き締めて話した田中だが、頭の中では目指す日本人同士の王座統一戦の青写真が描かれていたはずだ。計量後は毎試合恒例の勝負メシでもあるサムゲタンを食べ、力を蓄えた。「スピードを存分に出してKOします」と宣言した。

 テレビの全国中継デビューとなる節目の10戦目で培ってきたスピード、テクニック、パワーを会場に来場予定の田口の目の前で見せつけるつもり。夢の一戦の実現へ、決定打を打つ。【宮崎えり子】