王者田中恒成(22=畑中)の2度目の防衛成功を、WBA同級王者の田口良一(30=ワタナベ)がリングサイド2列目から見届けた。年末の統一戦実現が期待されており、田口は「ファンが望むカードをやりたい。盛り上がる試合をしたいのがポリシー。多少(勝ち負けの)リスクがあってもやりたい」とあらためて意欲を見せた。

 挑戦者のパランポン(タイ)と戦った田中は、1回にまさかのダウン。それでも田口は「すごいのを見せつけられた」と、9回TKO勝ちで逆転した王者のすごみを第一声で発した。「劣勢になってから(の攻め)。(心が)折れる状態で踏ん張って、KOにつなげたのがすごい。ハートが強い」。田中の戦いを冷静に分析した上で、統一戦での自信を問われると「正直100%(勝つ)とは言えない。極力パーセンテージを上げていきたい」と意気込んだ。

 田口は7月23日に6度目の防衛に成功。すでに田中を想定した練習を始めているといい、12年6月のWBC世界ミニマム級王者井岡一翔-WBA同級王者八重樫東戦以来2度目となる、日本人同士の統一戦実現ムードが高まってきた。