RIZINのニュースター、那須川天心(19)が、新人でボクシングアマ5冠の藤田大和(25)に、壮絶な打ち合いの末、判定勝ちした。1回には左ストレートで“ダウン”を奪うなど、終始攻め続け3-0判定で完勝した。

 ボクシングなら完全なダウンだった。1回、那須川の左ストレートが藤田のアゴをとらえた。キックボクシングの試合と勘違いし、左手を上げて喜びかけたが、あわててパンチで追い打ち。2回、3回と藤田にテークダウンで倒されグラウンドの戦いとなったが、最後まで冷静に対処。試合をコントロールした。

 「総合で初めて5分3回を戦って勉強になった。ボクシングで実績ある選手にパンチで上に立てて自信になりました」と振り返った。高校、大学でアマタイトル5冠の藤田と打ち合い、相手に戦略を変えさせた。RIZINデビュー以来初の判定も、19歳の那須川は、また1つ進化をとげた。

 昨年12月29日にRIZINで総合格闘技デビューを果たし、これで5戦5勝。KOか一本勝ちでの連勝は4で止まったが、注目度は今やRIZINでNO・1。今回はフジテレビ系で初の地上波生放送となり、大手ゲームメーカーから個人スポンサーも受ける。本年度で高校を卒業し、学校からはスポーツ推薦でどこでも入れると言われたが断った。「スポーツで認められるのは魅力だけど、とにかく通う時間がない」という。

 11月23日は本業のキックボクシングの試合が待っている。年末は再びRIZIN。キックと総合の二足のわらじで、天才那須川の快進撃はまだまだ続く。【桝田朗】