スマックダウンの中邑真輔(37)が、31回目を誇る伝統のロイヤルランブル戦で日本人初優勝の快挙を成し遂げた。ロウを含めたトップ選手30人による時間差バトルロイヤルに出場。最後はロウのローマン・レインズ(32)をキンシャサで仕留めて場外へ落とし、初出場初Vを飾った。4月8日、WWE最大の祭典レッスルマニア34大会(米ニューオーリンズ)で、ヘビー級王者AJスタイルズ(40)に挑戦することが決まった。

 伝統の舞台で、たぎった。強豪が入り乱れるロイヤルランブル戦。14番目に登場した中邑は、疲労のたまった肉体を奮い立たせた。最後はレインズとの一騎打ち。1度はカウンターでスピアーを合わされて失敗したキンシャサ。2度目は確実に成功させた。場外に投げ、最後に生き残った。

 「言葉が見つからない」。信じられないような驚きの表情を浮かべてリング上でたぎると、大歓声に包まれた。「試合しながらファンが自分の後ろにいてくれるという感覚で力になった」。この優勝で4月8日、レッスルマニアでの王座挑戦権を得ると、自然と会場からAJスタイルズへの挑戦を期待する声がわき上がった。「自分もファンも望んだ試合ができることに興奮している」。不敵な笑みを浮かべ、ヘビー級王座挑戦を表明した。

 31回目を迎えたロイヤルランブル戦は、過去に93年の天龍を皮切りに大森、カブキ、白使、00年以降もTAJIRI、ケンゾー、ヨシタツら日本勢7人が出場。誰も届かなかった頂点に、中邑が上り詰めた。

 「世界最高の舞台で世界最高の相手と戦うことを望んでWWEに来たのが目的の1つ。それが実現することに興奮している。会場がでかければでかいほど自分のパフォーマンスが上がるので楽しみにしている」。

 8万人以上の観客が集まるレッスルマニアで日本人がヘビー級王座に挑戦するのは初。中邑のAJスタイルズ戦は新日本プロレス時代の16年1月4日、東京ドーム大会でIWGPインターコンチネンタル王座戦以来、約2年ぶりだ。「これは、まだ始まり」。日本人初となるヘビー級王座獲得だけを見据えた。【デーブ・レイブル通信員】