「ロックスター」中邑真輔(38)が最大の祭典で日本人初のWWEヘビー王座奪取を逃した。王者AJスタイルズ(40)に挑戦し、後頭部へのキンシャサなどキック技で追い込みながらも、王者の必殺スタイルズクラッシュを浴びて3カウントを許した。

 16年1月、新日本プロレス東京ドーム大会以来のAJスタイルズ戦。お互いの健闘をたたえた中邑はひざまずいてWWEベルトを手渡した。友好ムードが漂った…はずが、突然、股間への急所攻撃に転じた。約7万8000人の観客をあぜんとさせると、さらに顔面を蹴って場外に落とし、最後はキンシャサ葬。まるでヒール転向したかのような、不敵な笑みを浮かべて花道を立ち去った。

 64年にジャイアント馬場が奪えず、79年にアントニオ猪木が獲得しても未公認というWWEヘビー級ベルト。日本プロレスの悲願達成へ、再び動きだすことになる。【千歳香奈子通信員】