格闘技イベントRIZIN20大会(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)の目玉カード、RIZIN、ベラトールの総合格闘技2団体バンタム級王者堀口恭司(28)と朝倉海(26)の試合が消滅した。14日、RIZIN20に向けた会見で発表された。理由は堀口が右前十字靱帯(じんたい)損傷で全治10カ月と診断されたため。2人は8月のRIZIN18大会で対戦し、朝倉が勝利。大みそかのRIZIN20はベルトをかけた再戦の予定だった。

堀口は以下の通り、コメントを発表した。

 

申し訳ございません。膝をケガしてしまい、手術をしました。大みそかのRIZIN20には出られません…。

年末、楽しみにしてくださっていた方々の事を思うと、申し訳ない、という言葉だけでは収まらないし、表現のしようが無い、言葉が見つからない申し訳ない気持ちです。対戦相手の朝倉海選手に対しても、申し訳ない。「本当に申し訳ない…」としか、言葉が見当たりません…。

高校を卒業してから、プロとして約10年走り続けて来ました。もちろん無傷ではなかったのですが、何とかやって来られました。去年の終わりから今年に入ったくらいから少しずつ「おかしいな」と思う部分が出てきたり、春を過ぎたころから本格的に身体の各所の痛みや違和感を感じていましたが、「まー、大丈夫でしょ。気合で何とかなるでしょ!」と思っていました。甘かったです。10月後半より本格的に練習を再開したのですが、その蓄積に気付かず、先日の練習中についに、ギリギリ首の皮一枚つながっていた靱帯(じんたい)が悲鳴をあげました…。甘かったです…。

繰り返しになりますが、応援してくださる皆様、朝倉海選手には申し訳ないと言う気持ちである一方で、自分の中では「良い機会だからしっかり休んで、またゼロから作り直して行きなさい」と言う事なんだと受け止めています。

これを乗り越えないと、僕のテーマである「日本の格闘技を盛り上げる」と言う事は成し遂げられないと思います。今までやって来た事の延長線上にそれがあるのではなく、またゼロから作り直して行かないと、それは成し遂げられないと思っています。PRIDEを見て育ち、それに憧れて格闘技を始めた自分としては、日本の格闘技をそれと同じか、それ以上に盛り上げて行きたいと思っています。

ようやく、手術後の体調も戻って来て、月曜日からフロリダの病院でリハビリを開始しました。新たな一歩を踏み出したところです。残念で残念で仕方なかったですが、今は決意を新たに前に進もうとしています。と言いながら、まだ一歩も歩けませんが…。

また、新たに、強くなった堀口恭司をお見せできるように、また、その強くなった新しい堀口恭司が日本の格闘技を盛り上げる事に貢献できるよう、精進してまいります。(原文ママ)

 

会見で榊原信行実行委員長は「期待感もありましたし、(堀口朝倉戦に)かわるカードを用意するのはとても大変」と落胆しつつも、

「志をもった選手とともに、ピンチをチャンスに変える。全力でこのカードに勝るカードをできるよう頑張ります」と前を向いた。また、堀口からはベルト返上の申し出があり、「来週には(返上を認めるか)アナウンスする」と話した。