内藤哲也(38)がニュージャパンカップ初戦で敗れた。2月の試合で痛めていた右足をグレート・O・カーンに集中的に攻められ、防戦一方。最後はリング中央で脚をキメられ、粘ったが、ロープにたどり着くことができずレフェリーストップとなった。セコンドに抱えられながらリングを去り、ノーコメントで会場を後にした。

2月28日のIWGPインターコンチネンタル選手権で飯伏に敗れ、反対していた2冠統一を止めることができなかった。1月に続いて連敗し「またしてもチャンスを逃した。俺らしいレスラー人生だよ」と自虐的な発言をしていた。目標が定まらないまま、ニュージャパンカップが始まり、得意のデスティーノもかわされるなど、精彩を欠いた。O・カーンには試合中に顔面を踏まれ「もう終わるのか? 立てないなら靴を舐めろ」と侮辱され、試合後には「弱すぎる」と吐き捨てられた。

20年は1月にいきなり2冠に輝き「これまでのプロレス人生で初めて」というほど最高のスタートを切った。最後も2冠王者として終え、21年を迎えたが、ベルトも目標も失い、最悪のスタートとなった。まだ始まったばかり。「内藤哲也のプロレスをお客さまに見せる」ため、ここから巻き返す。【松熊洋介】