IWGPタッグ王者のタイチ(41)が、内藤、SANADAとの最後の前哨戦に挑み、敗れたものの11日の防衛戦に向けて順調な仕上がりを見せた。北海道出身のタイチ。しばらく試合がなかったこともあり、早くから北海道入りし、調整を続けてきた。8人タッグに出場した地元凱旋(がいせん)初日は、お互いにけん制し合ったのか、2人との対峙(たいじ)は少なかったものの、SANADAには強烈なスピンキックを決め、相方のザック・セイバーJr.は内藤をアンクルホールドで絞め上げるなど、軽快な動きを見せた。「(内藤は)勢いがなかったな。今日のやる気を見ても、もっとかかって来いって感じ」と一蹴した。

久しぶりの北海道大会。しかも防衛戦とあっていつも以上に気合が入った。この日の観衆は1500人だったが「地元の下僕たちを3、4000人呼ぶ。あいつら何起こすか分かんねえぞ、楽しみにしてろ!」とほえた。対する内藤は同会場が初とあって、地の利を生かし、有利に試合を進めるつもりだ。

内藤の挑戦表明を受けてから約1カ月。これまでは内藤がリング上でタイチにサインを求め、手書きの調印書を作ったり、タイチも内藤に誕生日プレゼントを用意するなど、心理戦を繰り広げてきた。にらみ合うというより、お互いに不敵な笑みを浮かべながら、本番までの前哨戦を楽しんでいるようなシーンがほとんど。この日の試合後も両者視線を送り、一触即発のムードこそ漂ったが、タイチは「本当に2人仲いいの? やる気あるの?」と軽い挑発で終えた。

この日はメインで同じ鈴木軍のデスペラードがIWGPジュニアヘビー級V2を達成。11日のメインはもちろん、IWGPタッグ王座戦。セイバーJr.は「札幌は俺たち鈴木軍のものだ」と意気込んだ。タイチは「俺らの流れを変えるためにお前らには、のびてもらう。このベルトは明日もまたここにある」と気合を入れた。地元の大声援を受け、タイチが最後にリングに立つ。