「好きなのは…小波選手です」。スターダム2戦目となった月山和香(29)が、ワンダー・オブ・スターダム王者・中野たむの洗礼を浴びた。所属選手とのシングルマッチ「スターダム・チャレンジ」の初戦(全7戦)で対戦。「エルボー1つでも重たかった」と完敗。悔しい表情でリングを後にした。

途中、中野にキャメルクラッチで捕まり「誰が好き?」と聞かれた月山は「こ、こ、小波選手」と顔をしかめながら返答。自分のユニット「コズミックエンジェルス」の名前が出ると思った中野の怒りを買い、強烈な連続エルボーから回し蹴りでKOされた。試合後リング上でもう1度「誰が好き?」と聞かれ、無言ながらも手を握って頭を下げ、感謝の意気持ちを見せ、歩み寄ったかに思われた。

ところが、バックステージでは「小波選手が好きです」とコメント。横で聞いていた中野から跳び蹴りを食らい「誰にでもいい顔するの、やめな」と言われたが再度「小波選手が好きです」と思いは曲げず。これには「リング上ではコズエンの方に向いてくれたのかなと思っていたけど…」と語っていた中野も苦笑いだった。

昨年7月にアクトレス ガールズでプロレスデビュー。今月4日の新宿大会でスターダム参戦を発表した。6日のデビュー戦ではいきなり、ウナギとフューチャー・オブ・スターダムのベルトをかけて対戦。敗れはしたが「まだまだ強くならないといけない」と成長を誓った。この日は中野に対し、強烈な胴締めスリーパーやドロップキックを浴びせ、会場を沸かせた。

中野が「スターダムはなりたい自分に慣れる場所。共感しなくていい」と語っていた通り、小波へのあこがれを貫いた月山。「できることをやって前に進んでいくだけ」。挑戦はまだ始まったばかり。自分を信じ、初勝利を目指す。【松熊洋介】