8月の新型コロナウイルス感染、重症化から回復傾向に向かっていたリングアナウンサーの田中ケロ氏(62)が、病院を退院し、リハビリ専門病院へ転院したことが分かった。20日、所属の芸能プロダクションONE COLORが発表した。

田中氏は7月31日にコロナ陽性判定を受け、保健所の指導のもとで自宅療養していたが、8月8日に症状が悪化して病院に運ばれた。その後集中治療室(ICU)に入り、投薬により眠っている状態が続いた。一時、生命の危機にも立たされたが、医療関係者の懸命の治療で9月には意識を取り戻し、人工呼吸器を外して酸素マスクに切り替え、意識レベルも回復。サポートを受けながら食事をしたり、徐々に会話が出来るまでに回復した。

田中氏は愛知県出身で、1980年(昭55)に新日本プロレスに社員として入社し同年、リングアナウンサーとしてデビュー。独特の抑揚を交えた甲高い声の選手コールに「時が来た」など試合を盛り上げる前口上を絡めて人気を集め、80年代から90年代を中心に活躍。日本を代表するリングアナウンサーに上り詰めた。06年に退社後はフリーで活動を続け、シュートボクシングやアントニオ猪木氏の興行、芸能界や競馬のイベントでも美声を響かせた。

現在はリハビリも順調で、主治医と相談の上、早期復帰に向け、リハビリ専門病院に転院することとなった。田中氏は所属事務所と自身のSNSを通じてコメントを発表した。以下、コメント全文。

いつも応援してくださるファンの皆さん、関係者の方々、沢山の励ましのお言葉をありがとうございました。すべてに目を通させて頂き、早く復帰したい気持ちでいっぱいになりました。ご心配をお掛けしましたが、現在は回復に向かっておりリハビリも頑張っています。1日でも早くリングに立ち、沢山の選手をコール出来ることを目指してこれからも戦います。田中ケロは絶対に負けない。リングに立ちコールするその時がくるまで待っていてください。