WBO世界ウエルター級王者テレンス・クロフォード(34=米国)が5度目の防衛に成功した。同級2位の元WBC、元IBF世界同級王者ショーン・ポーター(34=米国)との5度目の防衛戦に臨み、10回1分21秒、TKO勝利を収めた。

同回に2度のダウンを奪って快勝。「1回から勝てると。強さでは私が上回っていたし、自分が角度を変えたらいけた。ダウンを奪った時にも勝てると思った」と納得顔。ポーターを初のKO負けに追い込み、あらためて強さを証明した。

元世界王者でもある挑戦者の積極的な攻勢に対し、クロフォードは冷静に対応した。サウスポースタイルを軸にアグレッシブなポーターを抑えながら、勝機を探った。ついに10回、左カウンターで1度目のダウンを奪取。立ち上がった相手に右フックからの連打でダウンを追加すると、ポーターの父ケニー・トレーナーからの棄権の申し出があり、クロフォードのTKO勝ちとなった。

「アッパーも、フックも入った。彼の父が止めたのは好判断だった。神様に感謝する。ポーターは良いファイター。(アマ時代から交流があり)本当は戦いたくなかった。王者だからやるしかなかった」と振り返ったクロフォードのV5戦にはWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)が視察していた。クロフォードは「スペンスが来ていたのか。彼は僕の試合を見に来たことはなかったと思う」と驚きの態度を示した。

米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級超越の最強ボクサー)ランクで4位の世界3階級制覇王者は過去最強の相手を下し「階級を上げることも選択肢だが、今後次第だ」とキッパリ。スペンスJr.は判定で、クロフォードはKOでポーターから勝利を挙げた。「みんな、それぞれ戦うスタイルが違う。彼も、私もポーターに勝ったんだ」。クロフォードとスペンスJr.の王座統一戦の行方が注目される。