5日まで行われた新日本プロレス東京ドーム大会では、オカダ・カズチカ(34)がIWGP世界ヘビー級王座初戴冠、初防衛を果たした。新日本創設50周年の幕開けの試合で、オカダはコスチュームを一新。創設者アントニオ猪木氏をほうふつとさせる白地のガウンには、その歴史がびっしりとプリントされていた。ガウン新調には、新日本の顔として団体を背負う覚悟がつまっていた。

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オカダは東京ドーム大会で新日本プロレスの顔に返り咲いた。4日に第3代王者鷹木を破って団体の象徴であるIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠。続く5日にはオスプレイの挑戦を退け、初防衛に成功した。

両日の30分を超える激戦もさることながら、オカダの一新したコスチュームも注目を集めた。光沢のある白地に金色の襟元と帯のガウン。新日本を創設したアントニオ猪木氏をほうふつとさせる往年のデザインで、東京ドームのファンは歓喜した。

オカダのコスチュームを3年前から手掛けるのは、アパレルブランド「アンリアレイジ」を展開するデザイナー森永邦彦氏。同氏によると、今年のコスチュームのコンセプトは「新日本プロレスが歩んできた50年とオカダ・カズチカが歩んできた戦いの歴史」という。

オカダ自身も、リングに金の雨を降らせる“レインメーカー”を名乗って10年の節目を迎えた。猪木氏をはじめ、80年代を代表するレスラーたちが身にまとったガウンの形状は、「時代に敬意を表する意味を込めてこの形にしたい。過去の戦いがあったからこそ今の自分がいる」というオカダの熱い思いが込められていた。

一見、和柄に見える模様は近くで見ると、団体創立からの戦いの歴史が金色の文字でびっしりとプリントされたものと分かる。背中には、カメラのフラッシュ光などによって「RAINMAKER(レインメーカー)」の文字が浮かび上がるデザイン。歴史をまとうことで、オカダの50周年を背負う覚悟と、先頭に立って新たな歴史を切り開いていく決意が強調されている。

5日の試合後には「50周年はまだまだこれから」と宣言したオカダ。1年後には、そのコスチュームに、新たな伝説の文字を加える。【勝部晃多】