1月のWWEプレミアム・ライブイベント、ロイヤルランブル(RR)大会で元ロウ女子王者ロンダ・ラウジー(35)がリング復帰を果たした。19年4月のレッスルマニア35大会以来、約2年9カ月ぶりにWWEにカムバック。いきなり王座挑戦権もゲットした。第23回「WWEの世界」は母となって戻ってきたラウジーの今を紹介する。

◇  ◇  ◇  ◇

1月29日、米セントルイスで開催された30人出場の時差式バトルロイヤル、女子RR戦で、ラウジーがサプライズを起こした。28番目に出場し、そのまま優勝。最高位王座への挑戦権をもぎ取った。4月のレッスルマニア38大会(米ダラス)ではスマックダウン女子王者シャーロット・フレアー(35)に挑戦することも表明。元UFC女子バンタム級王者で「地球上で最も危険な女」との愛称通りの存在感を示した。

2年9カ月ぶりに戻ったラウジーには「母の強さ」という新たな魅力が加わった。リングから離れている間、元UFC戦士の夫トラヴィス・ブラウン(39)と“妊活”し、昨年9月に長女のラケア・マカラプアオカラニポ・ブラウンちゃんを無事出産した。リング復帰時、自らのSNSで長女妊娠判明日にリング復帰したと報告。「4カ月前に赤ちゃんが生まれた。妊娠を知り、期日を計算した日から22年ロイヤルランブルに戻りたいと思っていました」とつづった。

もちろん出産後4カ月でのリング復帰は簡単ではなかったようで「産後2週間、産後2カ月でさえ、その目標はかつてないほどクレージーにみえた」と振り返るほどの調整だったと明かした。そして女子RR戦のバックステージの写真も公開し、愛娘に母乳をあげている姿を披露し「マルチタスク(複数作業を同時並行)」との言葉を添えた。

母親としての仕事も果たす姿勢は言葉にもにじみ出ている。女子RR戦制覇後のインタビューでは「バスに戻って小さな赤ちゃんをあやすつもりです。今、私が気にかけているのはそれだけです。優先順位が変わりました」と口にしていた。女子史上初となるUFC王座とWWE最高位王座を獲得してきたラウジーが「ママでも王者」の新たな称号を目指し、再び動きだしている。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)

◆ロンダ・ラウジー 1987年2月1日、米カリフォルニア州リバーサイド生まれ。84年柔道世界選手権女子56キロ級優勝の母アン・マリア・ラウジー・デマルスの影響で8歳から柔道開始。08年北京オリンピック(五輪)女子70キロ級で銅メダルを獲得。11年に総合格闘家としてプロデビュー。12年8月、ストライクフォース女子バンタム級王者に。同年11月UFCと契約し、ストライクフォース女子バンタム級廃止と受け、初代UFC女子バンタム級王者に認定。同王座は6度防衛に成功。18年1月、WWEに参戦。同年8月にロウ女子王座を獲得。170センチ、61キロ