異色のデスマッチを制したのは、ケイオスの“敏腕プロデューサー”こと矢野通(44)だった。

ピンフォール、リングアウト、反則裁定なし。ドッグケージに相手を入れて南京錠をかけた選手が勝者となる「ドッグケージ・デスマッチ」で、抗争のまっただ中にあるヒールユニット「ハウス・オブ・トーチャー」のディック東郷(52)と激突。YTR戦法と呼ばれる矢野の奇想天外な戦法を、かねて「目障りだ」と不快感をあらわにしていた相手に、その実力を誇示した。

最初にレフェリーから南京錠の鍵を奪ったのは東郷だった。だが、すぐにニュートラルコーナーのクッションを外して殴打すると、鍵を奪い取って形勢を逆転。相手を見失ったり、会場を暗転させられたり、敵の乱入を許したりしながらも、最後はケイオスのメンバーのヘルプから、鮮やかに東郷収監までつなげてみせた。

「俺のやり方で、てめえを徹底的に排除してやる!」と、前哨戦から再三ドッグケージを使用してきた矢野。今年2月の札幌大会で行われたKOPW2022争奪戦でも、鈴木みのるを相手に同試合形式で勝利を収めていた。ドッグケージの扱いが違った。

試合後は息つく間もなく、メインイベントのNEVER無差別級6人タッグマッチがスタート。ケイオスの仲間、後藤、YOSHI-HASHI、YOH組が王者組のEVIL、SHO、高橋裕二郎に挑戦するのをセコンドとしてサポート。こちらでも、猛獣使いさながらのドッグケージさばきを見せていた。