ボクシングのリングは周囲を4本のロープで囲まれている。もともとプロレスと同じ3本だったが、1963年6月8日、米ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われた、王者エミール・グリフィス(米国)と挑戦者ルイス・ロドリゲス(キューバ)の世界ウエルター級タイトルマッチで初めて4本のロープが採用された。

きっかけは前年62年3月24日に同会場で行われた世界ウエルター級タイトルマッチ。12回に挑戦者グリフィスの猛攻でフラフラになった王者ベニー・パレット(キューバ)の上体が、ロープの外にはみ出した。この状態でグリフィスのパンチを浴びて、鉄柱に頭部を強打。脳内出血を起こして失神し、10日後に死亡する事故が起きた。試合後、ボクシングの危険性に対する議論が高まり、ロープは3本から4本にルールが変更された。

日本でも64年から4本ロープのルールが採用された。