前IBF世界スーパーバンタム級暫定王者岩佐亮佑(32=セレス)が“異例”の重いウエートで再起戦を飾った。日本フェザー級18位ゼネシス・カシミ・セルバニア(31=カシミ)との62・0キロ契約10回戦に臨み、左アッパーでダウンを奪って仕留め、4回1分46秒、KO勝利を収めた。

昨年4月、IBF世界同級正規王座を保持した2団体統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に5回TKO負けを喫して以来のリングで白星を挙げた。海外で暫定王座奪取、世界戦と続いていたこともあり、国内リングも約4年半ぶりだった。「久しぶりに、デビューの時から応援してくれている人の前で試合できてうれしい」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

当初はフェザー級(57・1キロ以下)転向第1戦と銘打たれていたものの、セルバニアによる減量の問題で62・0キロ契約体重に変更された。再起リングは想定よりも5キロ近く重い契約となったが、岩佐は「急きょ契約体重が変わった。プロスポーツは命賭けてやっているので、いろいろなことがあるが、勝って良かった」と笑顔をみせた。

試合後、控室で小林昭司会長ら陣営に「もう(現役生活は)長くない」と口にしたという。リング上でも「この試合で勝っても負けても引退の文字もありました。このプロ生活に納得できればいつでも辞める覚悟はできている。失うものないので挑戦できるし、強い選手に挑戦できると思っている」と1戦1戦に進退を懸けて戦う覚悟を示した。

小林会長は「フェザー級の岩佐が見たい。上にいけばいくほど、次への意気込みを作ることが大変。調整試合は一切、しない。強い相手とやらせる。やらないなら辞めなさいと言う」とキッパリ。岩佐は「フェザー級の選手層はぶ厚いそうで、すぐに世界挑戦とは言えないが、1つ扉は開いた。全力で『次』だけを考えたい」と決意を新たにしていた。

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