ボクシングの前WBC世界ライトフライ級王者でIBF同級8位矢吹正道(30=緑)の次戦が、世界王座挑戦決定戦になることが8日、所属する緑ジムから発表された。

矢吹は来年1月28日に名古屋国際会議場で再起2戦目に臨む。相手は28勝(20KO)1敗1分けと豊富なキャリアを誇る同級のWBA6位、IBF7位のロナルド・チャコン(31=ベネズエラ)でノンタイトル戦では異例の12回戦となる。この試合の勝者がIBF同級王者シベナティ・ノンティンガ(南アフリカ)への挑戦権を得られることが承認された。

矢吹は王座陥落後、9月10日に約6カ月ぶりとなる再起戦で24戦無敗(22KO)だったタノンサック・シムシー(タイ)と対戦。3度のダウンを奪って7回1分19秒TKO勝ちした。しかし試合後に外腹斜筋損傷で全治4週間の診断を受けたことが判明も、順調に回復して試合に備えている。

電話取材に応じた矢吹は「この試合に勝てば世界王者への具体的な道ができる。何がなんでも勝ちます」と決意表明。相手については「映像が10年以上前しかないんですが、キャリアは豊富だし、過去には(五輪)金メダリストとも対戦しているそう。技術が高く、カウンターパンチャーと聞いています」と話した。

自身は「前回の試合は距離が遠かった」とあらためて距離感を再生しているという。IBFのベルトをとればWBAスーパー、WBC統一王者寺地拳四朗(BMB)と3度目対戦で3団体統一戦という夢マッチも妄想が膨らむが、「まずは次の試合に勝たないことには何も生まれない。すべてをかけるつもりで、全力でいきます」と気合をみなぎらせた。【実藤健一】