プロボクシングの世界バンタム級4団体王座統一戦が13日、東京・有明アリーナで行われる。 WBAスーパー、WBC、IBF世界同級王者井上尚弥(29=大橋)が、WBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)に勝てば、日本人初、史上9人目の4団体統一王者になる。

井上の年表は以下。

★井上尚弥(いのうえ・なおや)

◆1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市に生まれる。家族は両親と姉、弟。弟拓真もWBC世界バンタム級暫定王者。

◆2000年 座間市立栗原小1年の時に、元アマ選手の父真吾さんに師事してボクシングを始める。

◆2005年 同6年の時の全国大会で初めて試合に出場。中学2年生を相手にRSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)勝利を収める。

◆2008年 中学3年の第1回全国U-15大会で優秀選手賞。

◆2009年 相模原青陵高1年時でインターハイ、国体、全国選抜と3冠達成。アジアユース選手権でも銅メダル。

◆2010年 同2年時のアジアユース選手権でライトフライ級銅メダル。世界ユース選手権はベスト16入り。国体を連覇して、初出場の全日本選手権で準優勝。

◆2011年 同3年時に国際大会プレジデント杯、全日本選手権を制覇し、アマ7冠達成。世界選手権ではフライ級でベスト16。アマ通算75勝(48KO・RSC)6敗。

◆12年4月 同年のロンドン五輪の予選会を兼ねたアジア選手権にライトフライ級で出場も銀メダルで、五輪出場を逃し、大橋ジムからプロ転向を表明。

◆12年10月2日 東洋太平洋ミニマム級7位オマヤオ(フィリピン)との8回戦に4回KO勝ちでプロデビュー。A級(8回戦以上)デビューは25年ぶり7人目。

◆13年8月25日 日本ライトフライ級王者田口良一(ワタナベ)に3-0の判定勝ち。辰吉丈一郎に並ぶ当時の最短記録の4戦目で日本王座獲得。

◆13年12月6日 東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦でマンシオ(フィリピン)に5回TKO勝利。当時の最短タイ記録の5戦目で東洋太平洋王座獲得。

◆14年4月6日 WBC世界ライトフライ級王者エルナンデス(メキシコ)に6回TKO勝ち。当時の日本人最速のプロ6戦目で世界王座獲得。

◆14年9月5日 WBC世界同級13位のサマートレック(タイ)に11回TKO勝ちで、初防衛に成功。同11月に王座返上。

◆14年12月30日 フライ級王座16連続防衛し、WBO世界スーパーフライ級王座も11連続防衛中の最強王者ナルバエス(アルゼンチン)に2回KO勝ち。フライ級を飛び越えて、当時世界最速の8戦目で2階級制覇達成。

◆15年3月 ナルバエス戦で痛めた右拳が脱臼していたため手術。

◆15年12月29日 WBO世界同級1位パレナス(フィリピン)に2回TKO勝ち。初防衛に成功。

◆16年5月8日 WBO同級1位カルモナ(メキシコ)に判定勝ち。2回に右拳、8回には左拳も痛めたが、圧勝でV2。

◆16年9月4日 WBO同級1位ペッバーンボーン(タイ)に10回KO勝ちで3度目の防衛。試合直前に腰痛を患っていた。

◆16年12月30日 元WBA同級王者の河野公平(ワタナベ)に6回TKO勝ちで4度目の防衛。

◆17年5月21日 WBO同級2位ロドリゲス(米国)に3回TKO勝ちで、5度目の防衛。

◆17年9月9日 米カリフォルニア州カーソンでWBO同級7位で北米バンタム級王者ニエベス(米国)に6回終了TKO勝利。V6を達成して、米国デビューを飾った。

◆17年12月30日 WBO同級6位のボワイヨ(フランス)に3回TKO勝ちで、7度目の防衛。

◆18年5月25日 WBA世界バンタム級レギュラー王者マクドネル(英国)に初回112秒でTKO勝ち。国内最速の16戦目で3階級制覇。試合後に世界王者らによるバンタム級最強決定トーナメントのWBSS出場を表明。

◆18年10月7日 WBSS1回戦で元WBA同級スーパー王者パヤノ(ドミニカ共和国)を初回70秒でKO。日本人の世界戦最短KO記録を樹立して初防衛に成功。18年米リング誌の年間最高KO賞を受賞。

◆19年5月18日 英グラスゴーでのWBSS準決勝でIBF同級王者ロドリゲス(プエルトリコ)と無敗王者同士で対戦し、2回TKO勝ち。IBF王座も奪取して、WBAは2度目の防衛に成功。

◆19年11月7日 WBSS決勝でWBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に11回にダウンを奪い判定勝ち。WBAは王座統一によるV3。IBFは初防衛。米リング誌の年間最高試合に。2回に浴びたドネアの左フックで井上は右目上をカットし、右眼窩(がんか)底と鼻を骨折。

◆20年10月31日 本場米ラスベガスでのメインイベントに登場。WBO同級1位モロニー(オーストラリア)に7回KO勝ちして、WBA4度目、IBF2度目の防衛に成功。

◆21年6月19日 米ラスベガスでIBF同級1位ダスマリナス(フィリピン)に3回TKO勝ち。WBA5度目、IBF3度目の防衛に成功。

◆21年12月14日 IBF同級5位ディパエン(タイ)との2年1カ月ぶりの国内で防衛戦に8回TKO勝ち。WBAは6度目、IBF4度目の防衛に成功。初めて地上波ではなく、ひかりTVとABEMAのPPV(ペイ・パー・ビュー)で配信された。

◆22年6月7日、WBC同級王者ドネアと2年7カ月ぶりに3団体統一戦で再戦し、2回TKO勝ち。WBC王座を獲得し、WBAは7度目、IBFは5度目の防衛に成功。日本人初の3団体統一王者となり、報酬2億円超と報じられる。

◆22年6月10日 100年の歴史を誇る米リング誌が選定する階級差に関係なく現役最強をランキングするパウンド・フォー・パウンド(PFP)で日本人で初めて1位に選出された。過去最高は山中慎介の8位だった。