RIZIN女子スーパーアトム級、DEEP・JEWELSストロー級王者の伊沢星花(25=フリー)が、最強女王の実力を証明した。女子スーパーアトム級GPの決勝戦で、パク・シウ(韓国、31=KRAZY BEE)を判定2-1で下した。優勝賞金700万円を獲得し、同じ総合格闘家で婚約者のCOROと結婚式を挙げることを熱望した。

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伊沢が、世界の花になった。昨年10月のリベンジに燃えるパクを判定で下し、無敗の9連勝でトーナメントを制覇。試合を決めきれなかった悔し涙を流しながらも「勝てて良かった。もっと強くなれるように頑張ります」と胸を張った。

2人が戦えば、他の女子格闘技の試合とは違う。大会前にそう話した通り、簡単な試合ではなかった。自身の得意なグラウンドポジションに持ち込めない膠着(こうちゃく)状態。試合後は「本当に強くてすごく怖かった。えーん」と我を失うほどの強敵だった。それでも、最後まで心を折られずに前進し続けた。

星花の名前にちなみ、左の頭髪を赤に染めて星の形に編み込んだ。「自分は花がないので、試合で魅了して花になる」との意気込みだった。自身の直訴により始まった同トーナメント。7月の開幕戦、9月の2回戦ともに海外の強豪から一本勝ちを収めたが、「勝つだけじゃなくて女子格闘技を盛り上げたいという思いが強い」。常に勝利のその先を見据えていた。

優勝賞金700万円は、支え続けてくれた婚約者COROとの結婚式の資金にする。「たくさんもらったのでCOROさんと結婚式をしたい」。最後は笑顔の花が咲いた。【勝部晃多】

◆伊沢星花(いざわ・せいか)1997年(平9)11月1日生まれ、栃木県宇都宮市出身。幼少の頃に柔道、レスリングを開始。レスリングで全国中学生選手権優勝、インターハイ3位、全日本女子相撲選手権準優勝。東京学芸大の大学院進学後に本格的に総合格闘家へ転向。20年10月にDEEP・JEWELSでデビュー。21年6月に同ストロー級王者となり同年大みそかにRIZIN初参戦。22年4月に同スーパーアトム級王者。160センチ。

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