元東洋太平洋フェザー級王者の大沢宏晋(37=オール)が、引退の花道を勝利で飾った。「引退試合」として、6勝(2KO)3敗の樋口和輝(22=ARITOMI)と対戦した。

試合前には亀田ファウンダーが「大沢選手の最後の試合になります」と説明する異例のゴングとなった。

大沢は、開始からラッシュする樋口に押し込まれた。しかしコーナーを背に、相手の動きを見極めて左フックをカウンターでヒット。ベテランの技で、ダウンを奪った。1回に2度、2回に1度のダウンを奪って、判定3-0で勝利した。

大沢は、16年11月に米ラスベガスで、WBO同級王者のオルカル・バルデスに挑戦した。メインがマニー・パッキャオの復帰戦という興行で、セミファイナルだった。7回TKO負けを喫したが、ボクサーとして最高峰の舞台を踏んだ。

大沢は亀田ファウンダー、家族、周囲の人々に感謝を述べて「1ボクサー大沢宏晋の人生は終わりますが、人間大沢宏晋の人生は続くので、また叱咤(しった)激励をお願いいたします」。最後は家族とともに引退のテンカウントを聞いてリングに別れを告げた。

「正直、体はできるけど、気持ちがついてこない。ここで幕引きかなと思った。18年と少し、たくさん応援してくれて、感謝しています。ありがとうございました」。

大沢は04年にデビュー。戦績は38勝(21KO)6敗4分けで区切りとなった。