東洋太平洋フライ級王者の桑原拓(28=大橋)が、世界ランカー対決を制して初防衛に成功した。

WBA11位にランクされる同級9位ウラン・トロハツ(30=中国)に4回2分10秒KO勝ち。ロープに押し込まれた瞬間、左ボディーアッパーを腹にねじ込んでテンカウントを奪った。

WBAとIBFでともに8位の桑原は、今年3月のメキシコ同級王者ホセ・リバス戦(1回KO)に続く2連続KO勝利。今回は19年大みそかにWBO世界フライ級王者田中恒成(畑中)に挑戦経験もある(3回KO負け)強敵も寄せつけなかった。

KOパンチは「無意識で打ったパンチで手応えもなかった。自然に打ったパンチだから効いたのかな」と桑原。この一戦に向けてフィジカルを鍛え直した成果を見事に発揮して「世界ランカー相手にテンカウントで倒したのは自信になった。もっと上に行きたい」と世界挑戦に意欲を見せた。戦績も13勝(8KO)1敗と伸ばしたが、大橋会長は「まだまだ伸びる。パワーも体の強さももっとよくなる。世界戦は確実に勝つタイミングで」と、期待のホープを大切に育てる方針だった。【首藤正徳】