ミドル級の赤井英五郎(29=帝拳)が「親子2代全日本新人王」へ王手をかけた。決勝でマッチョパパ一基(34=協栄)を強烈なボディーブローと強打で圧倒。3-0の判定勝利で東日本新人王を獲得し、敢闘賞も受賞した。

80年度のスーパーライト級全日本新人王で俳優の父赤井英和がリング下で声援を送る中、父親譲りのラッシュとパワーは最後まで衰えなかった。ポイントでは優位だったが最終4回も開始から突進。「相手のボディーが弱っていたので、パンチをまとめたらレフェリーが止めてくれるかもと思った」。

1年前に2回TKO勝ちしている相手に粘られて、今回はKO勝利を逃したが「1年たって相手はうまくなっていた。距離がとりづらくて面食らったけど、焦らずに冷静に対処できた」と振り返った。

現役時代に世界にも挑戦し、プロデビュー12連続KO勝利で“浪速のロッキー”の異名を取った父は「ボディーブローが効いていた。もっと上下を打ち分けていればダウンを取れたが、成長している」と満足げだったが、「攻めていくタイプなので打たれるのが心配」と、長男の身体的ダメージを危惧する親心ものぞかせた。

12月23日に同会場で行われる全日本新人王決定戦に勝てば、親子2代の新人王誕生となるが、赤井は「父のことはこだわっていない。今は強くなりたいという気持ち。新人王の先を目指して、日本、東洋、そして世界へ、最高の自分をつくりあげていきたい」。29歳の視線は、もっとずっと上を見ていた。【首藤正徳】