元WBO世界ミニマム級王者で同級王者・山中竜也(28=真正)が、フィリピンのジェイソン・バイソン(25)にまさかの2回TKO負けで初防衛に失敗した。

「(立ち上がりは)普通にやりにくさもなかったし、ジャブも当たっていた。でもあれは見えなかった。まったく反応できなかった」と振り返る。“あれ”とは予想しない角度から飛んできた右アッパー。「あの瞬間は完全に効いていた」と立ち上がっても足がふらつき、2回1分14秒でレフェリーがストップした。

世界王座を獲得し、2度目の防衛に失敗した後、硬膜下血腫が判明し、現役を引退した。大阪でおにぎり店を開業も、ボクシングへの情熱を捨てきれずに現役復帰した。今年5月の王座決定戦で獲得したベルトを手放した。「(山下)会長と練習してきたことはもっとあったのに全然出せずに申し訳ない。やってきたことを出せずに悔しい」と言い、今後については「ゆっくり考えたい」と話した。