ボクシングの世界4階級制覇王者、WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29=畑中)が、初防衛戦で“ドタキャン”を食らった。

20日に東京・両国国技館で行われる試合の前日計量が19日、都内で行われた。田中はリミット52・1キロでクリアも、挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)は55・0キロと約3キロオーバーとなった。

再計量へ2時間の猶予は与えられたものの、この時点でクリアは絶望的。けいれん的な症状も見られ、健康管理上の観点からも危ないとの判断で、両陣営が話し合った結果、試合は中止となった。

取材に応じた畑中清詞会長(57)は「もう落とせないということだった。こちらとしても2階級上の相手とやることはできない」とし、「1週間前に来日して3キロオーバー。我々は信じられない。怒りを通り越している。(意気)消沈ですよ、俺も」と厳しい表情を浮かべた。

田中はしっかりと試合前の“行事”をこなした。写真撮影のフェースオフでは顔を数センチの距離まで近づけてにらみ合った。

挑戦者の調整失敗は「全く知らなかった」と言い、「試合前日になって相手どうこうの心配している余裕はない。(挑戦者の体重超過は)僕がどうすることもできないんで。自分がやるべきことに集中したい」と話した。畑中会長から状況を知らされても「(再計量期限の午後)3時まで自分はやるつもりでいる」と話していたという。

ロドリゲス陣営のプロモーター、パコ・ダミアン氏は「田中選手に申し訳なく思う。プロモーターとしてとても恥に感じます」と謝罪した。

同氏によると17日に都内のジムで練習中にけいれんを発症。息苦しさも訴えたため、スポーツドリンクを与えて休ませた結果、体重が増加したという。その時点で約56キロ。その後もサウナなどで減量に努めたが、汗も出ない状況が続いたという。病院での診察は受けていない。

最大の被害者は今回の試合に向けて仕上げてきた王者だ。約1カ月前に41度の高熱を発するアクシデントに見舞われた。そこから体重調整を含めて、懸命な努力で作り直してきた。畑中会長も「(試合前の)今までで一番苦労した」と言う。それだけにやるせない。

今後に関して、同会長は「白紙です」とし、年内に試合は「考えたいですね」。4階級制覇後初の試合、ここからベルト統一への夢に向かうはずが、ずさんな挑戦者につまずかされた。