ボクシングWBA世界バンタム級王者井上拓真(28=大橋)が兄弟の総力を挙げ、3度目防衛成功を目指す。13日、東京・有明アリーナで同級2位堤聖也(28=角海老宝石)の挑戦を受ける。12日には都内のホテルで前日計量に臨み、両者そろってクリア。4団体統一スーパーバンタム級王者の兄尚弥(31=大橋)も計量会場に駆けつけ、2戦ぶりに井上のセコンド入り。一家のパワーを結集し、注目の日本人対決を制するつもりだ。なお同日興行に出場する他選手も計量を1発クリアした。
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19秒間のフェースオフ(にらみ合い)を終えると、井上は無言のまま堤からの握手を受けた。12年前の高校総体で負けたリベンジを狙う堤の気持ちを認めながら「結果で見せてやろうと思う。自分のボクシングをするだけ。しっかりと結果で分からせてやろうという感じ」と万全の仕上がりを強調した。
陣営の一員として、兄尚弥が珍しく前日計量から合流した。今年2月のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との初防衛戦以来、2戦ぶりにセコンドにも入る。井上は「(計量は)多分、予定が空いていたから来ただけかなと。(セコンドに)いれば心強い部分はある」と兄の手厚いサポートに感謝。兄弟世界王者のパワーを結集し、堤を返り討ちする構えだ。
8度目の日本人対決となる。デビュー戦で、後にWBO世界ミニマム級王者となった福原辰弥(本田フィットネス)に判定勝利。対戦当時は現役王者だった栗原慶太(一力)や古橋岳也(川崎新田)などベルトを巻いていた日本、アジア王者たちを次々と撃破してきた自負がある。
井上は「相手は打ち合いの距離にしたいだろうけれど、自分はどっちみちくっついても離れても自分のペースでやるだけ。『本当に何もできなかった』と言わせる試合展開にしたい」と圧勝を宣言。WBC世界同級王者中谷潤人(26=M・T)との統一戦を来年実現させるため、日本人対決8連勝を飾るつもりだ。【藤中栄二】
○…堤が“同級生”王者へ宣戦布告した。リミットから100グラム少ない53・4キロで計量をパス。19秒にらみあった後、井上と笑顔で握手し「次は俺が勝つ」。12年前、九州学院高2年のインターハイ準決勝で判定負けした相手に、プロの舞台で雪辱を誓った。「拓真とやるのは僕の悲願」としつつ、「いつもの試合と変わらない。ベルトを気にしないくらい集中できている」と平常心を貫いた。

