王座統一を逃した八重樫東(29)が、井岡一翔(23=井岡)との再戦を目指して再起する。WBA王座陥落から一夜明けた21日、大阪市内で会見。井岡と同様に、ミニマム級からライトフライ級へ転向して2階級制覇を狙う考えを明かした。八重樫は「やはり、井岡君は強かった。またやりたい」と熱望。大橋秀行会長も「ライトフライやフライなど、どの階級でもチャンスはある。井岡選手と再戦できればうれしい」と後押しする考えを示した。

 敗れはしたが、壮絶な打ち合いによる大接戦に感銘を受けたWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志や知人、関係者から激励のメールをもらった。中継したTBS側にも、健闘をたたえて再起を期待する声が数多く寄せられたという。故郷・岩手の県知事や震災で甚大な被害が出た陸前高田市、大船渡市の市長から寄せ書きも贈られていた八重樫は「人々の心に響く試合をできたのかと思うと本当によかったです」と再起への思いを強くした。

 試合会場で声援を送ってくれた家族のためにも戦う。「長男の圭太郎が悔しくて泣いたようなんです。腫れた目のことも心配してくれて。負けた姿を見せてしまったけれど、はい上がる姿を見せていきたい」と誓った。雑草魂を胸に、お父ちゃんは何度でも立ち上がる。【山下健二郎】