新入幕で東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)が、近大の7学年先輩にあたる同15枚目の徳勝龍(31=木瀬)に逆転の相撲で敗れ、2勝2敗と星を五分に戻された。

 右四つ得意の自分に対し、相手は左四つと、けんか四つの対戦。立ち合いは踏み込み勝ちし「突き放してくるだろう」という読みで、相手の右肘を払おうとしたところで、思惑とは違う左が入った。それでも構わず前進。土俵を時計回りに回り込む徳勝龍を、正面土俵まで攻め立てた。だが、ここに落とし穴が。右の上手を引けない無理な体勢からの寄りを逆手にとられ、左の脇を強烈に突かれた。「行こうとした瞬間、やばいと思ったけど、もう駄目だった。詰めが甘い。上手を取らずに急いでしまった」と詰めの甘さ、攻め急ぎを悔やむ、逆転の突き落としで2敗目を喫した。

 出足でまさったものの、攻めさせてくれたのは相手の術中だったのかもしれない。百戦錬磨の中堅の幕内力士は、相撲巧者でもある。そこは「悔しい」と素直に吐露したが、一方で前向きな姿勢も忘れない。「下がって負けた相撲じゃない。下がってたらモヤモヤするけど、前に出ての負けだから悔いはないです。(後々には)負けて覚える相撲になってくる。これからにつながるでしょう」。残る土俵も、前向きな姿勢を忘れない。