大相撲の貴乃花親方(元横綱)が12日、貴乃花部屋のウェブサイトを更新し、春場所が行われているエディオンアリーナ大阪に出勤しない事情を説明した。

 日本相撲協会の親方衆は本場所中は会場入りして業務を行うことが通例だが、貴乃花親方は11日の初日から欠勤中。その理由についてウェブサイトで「貴ノ岩は、頭部に負った傷の回復状況から、心身への影響や後遺症等について予断は許さない状況であり、担当医師等と連絡を取りながら慎重に見極めていく必要がございます。そのため、私は、場所中、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)に常時滞在することは極めて難しい状況でございます」と記した。

 昨年10月に元横綱日馬富士関から暴行を受けた貴ノ岩は今場所から復帰し、2日目まで連勝中。その貴ノ岩は春場所初日の11日に、裏口から会場入りした。ファンサービスも兼ねて正面から会場入りすることが決まりとなっているため、日本相撲協会から注意され、2日目は正面から入場していた。これについても貴乃花親方は「また貴ノ岩の心身への影響を鑑み、正面入口からの出入りをご容赦いただく場合がございます。ご理解の程、よろしくお願い申し上げます」と説明した。

 貴乃花親方は初日は協会に無断で欠勤しており、ある役員は「来ることができないなら、きちんと連絡すべき」と指摘していた。だが、同親方は「なお、以上につきましては、日本相撲協会にも、その旨ご説明させていただいております。皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」とした。

 貴乃花親方は9日に貴ノ岩の調査や自身の理事解任について透明性を求め、内閣府に告発状を提出している。