関脇経験者で西幕下35枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所最後の7番相撲でも快勝し、黒星発進から6連勝。6勝1敗で今場所を終えた。

 東幕下44枚目の中園(21=二所ノ関)と対戦。鋭い踏み込みから両脇を固めたまま前進。二本をのぞかせながら一気に押し出した。

 厳しい相撲と表現できそうな一番だったが、本人は「厳しいというより余裕があった。立ち合いでしっかり圧力をかけることを心がけた」と振り返り、今場所を「28年、相撲をやっていて立ち合いの大事さを勉強した」と総括した。

 実は1番相撲で負けた時、覚悟があったという。「勝たなきゃ、勝たなきゃと思って、みっともない相撲を取って。(頭を)よぎる内容だった」というほど悔いて、脳裏にかすめる「引退」の2文字を覚悟した。同時に「(その後も)負けたら(引退を)考えなきゃいけないのかなと。そうなったらそうなった時と覚悟を決めた。ひたすら前に出る相撲で、それで負ければ悔いはないと。そこでしっかり切り替えられたのが良かった」という。幕下15枚目前後に上がる5月の夏場所でも「来場所も覚悟を決めて(場所を)迎えたい。相撲は好きだし、取り続けたいし」と自分に言い聞かせるように話した。