大相撲の6場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が29日、東京・江戸川区の部屋で綱打ちを行い、夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の出場へ前向きな姿勢を見せた。部屋の若い衆や一門の若い衆や若者頭が作った綱を締めて「よくやってもらいました」とニンマリ。東京場所前の恒例行事だが「全然違う。1回1回、締めた感覚は違いますから」と新鮮な気持ちを持った。

 昨年春場所で横綱昇進したが、翌夏場所から休場が続く苦しい1年を過ごした。それだけに「最近いいところを見せられていないので早くいいところを見せたい。なんとかここまで来てますから恩返しをしたい」とファンへの思いを口にした。夏場所の出場は明言しなかったが「2週間いい形で納得いくような稽古をしたい。『これ』というのをしっかり見つけたい」と体と心の態勢を整える。