米国人の父と日本人の母を持つ大相撲の序二段若一郎(20=武蔵川)が2日、長崎市で行われた冬巡業に参加した。

通常、関取衆とその付け人が巡業には参加するが、母親の出身地で、自身も出身地として登録されている長崎市での開催とあって、この日だけの特別参加。序二段力士によるトーナメント戦は1回戦で敗れたが、申し合いやぶつかり稽古で汗を流した。慣れない巡業で、どこに陣取っていいか分からないこともあってか、支度部屋では高安、栃ノ心の両大関の間に座ってくつろぐ大胆な一幕も。「初めて力士として長崎市に帰ってくることができてうれしい」と声を弾ませた。

米ハワイ出身の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)のもとに18歳で弟子入りし、当初よりも20キロ増量して、今は178センチ、125キロのがっちりとした体形となった。本名はヤング一郎。「ヤング=若い」から、しこ名は若一郎となったが「シンプルでいいですね」と、師匠に感謝している。米ヒューストンで生まれ、長崎市は小学4年から約2カ月の長い夏休みを利用して毎年訪れ、思い入れも強い。まだ日本語に、たどたどしさは残るが日本国籍を所有し「まずは十両に上がることが目標。さらにその上も目指せれば」と、日本で、相撲界で生き抜く決意は固い。

得意は突き、押しで、米国では野球とアメリカンフットボールを、それぞれ5年間やってきたこともあって、運動神経には自信がある。16年九州場所の初土俵から2年が経過し、最高位は今年秋場所の西三段目77枚目。現在は2場所連続で負け越しているが「1つ1つ頑張ります」。入門以来、丼飯3杯をノルマに体を大きくし続けており、来年はそれに比例して、星も伸ばしていくつもりだ。