日本相撲協会は24日、東京都内のホテルで臨時理事会を開き、3月の春場所千秋楽での優勝インタビュー時に観客を促して三本締めを行った横綱白鵬(34=宮城野)に「けん責」の処分を科した。

この問題を調査していたコンプライアンス委員会は、白鵬の行為はコンプライアンス規定上の違反行為である「土俵上の礼儀、作法を欠くなど、相撲道の伝統と秩序を損なう行為」に該当し、賞罰規定の懲戒自由に当たると判断。懲戒処分のうち「けん責相当」が該当すると、八角理事長(元横綱北勝海)に答申した。これを受けた理事会は、2017年九州場所千秋楽の優勝インタビューで万歳三唱を行ったこと等で理事会から厳重注意を受けていたにもかかわらず、三本締めを行った点を重視し、コンプライアンス委員会の答申通り、白鵬をけん責処分とした。

白鵬は師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)とともに臨時理事会に呼ばれ、処分を通達された。宮城野親方には、コンプライアンス委員会の答申に従い、報酬減額処分「3カ月間、10%減額」が通達された。師弟は、無言で理事会が行われたホテルを後にした。

八角理事長(元横綱北勝海)は「大相撲は礼節を重視し、勝敗や数字だけではとらえられない人間的なものを大切にしてきました。そういう大相撲の伝統と秩序、礼節と様式美を、横綱だからこそ率先して守ってほしいと、白鵬に伝えました。今後は、白鵬に限らず、すべての力士が大相撲の伝統・文化をきちんと継承して発展させていけるよう、指導に一層、力を入れていきます」とのコメントを発表した。理事会の席上で、処分について問われた白鵬は「何もありません」と話し、反省の様子を見せていたという。

師匠の方が処分が重くなったことについて、報道陣に対応した理事の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「理事会を軽視していることを重くみた」と話した。17年九州場所で万歳三唱を行ったことと、同様の行為を繰り返したことに監督責任の重さがあると説明していた。