大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が「けん責」の懲戒処分を受けた。日本相撲協会は24日、都内のホテルで臨時理事会を開き、3月の春場所千秋楽の優勝インタビューで、白鵬が観衆を促して三本締めを行った問題について話し合った。白鵬は17年九州場所千秋楽でも、観衆とともに万歳三唱を行って厳重注意を受けており、今回はより重い懲戒処分となった。この日の理事会の最後に出席した白鵬は、八角理事長(元横綱北勝海)から「何か言いたいことは」と聞かれたが「何もありません」と、素直に聞き入れていたという。

理事会に数分間出席後は報道陣の前に現れず、無言でホテルを後にした。今回の処分は、問題を調査したコンプライアンス委員会から16日に八角理事長が答申を受け、その意見に理事会も賛同する形で決まった。

そもそも本場所は、千秋楽の表彰式後に神送りの儀式を行い終了する。その前に白鵬が勝手に手締めをしたことが、コンプライアンス規定の違反行為「土俵上の礼儀、作法を欠くなど、相撲道の伝統と秩序を損なう行為」に該当すると、問題視された。万歳三唱に続く勝手な振る舞いだが、芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると「お客さんを喜ばせたいと思って、とっさにやった。万歳はダメだが三本締めはいいと思っていた」という趣旨の説明を前回までの3度の“呼び出し”の中で行い、繰り返しの認識はなかったという。

白鵬に続き、時間差で理事会に呼ばれた師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)には「3カ月間、10%減額」の報酬減額処分が通達された。白鵬よりも重い処分となったことについて、芝田山部長は「指導が不十分だったことは明らか。理事会を軽視したと言わざるを得ない」と、万歳三唱の際も理事会で厳重注意を受けたが、改善されなかったことが重く取られたと説明。師匠も素直に受け入れたが、報道陣には無言だった。

◆白鵬前回の注意処分 暴行問題の渦中にあった17年11月の九州場所千秋楽の優勝インタビューで「日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいなと思います」と発した上、観客に万歳三唱を促した。また同場所11日目の嘉風戦に敗れた後、立ち合い不成立を執拗(しつよう)にアピールした行為も合わせ、11月30日の理事会で福岡から東京に呼び出され、師匠とともに厳重注意された。