西前頭13枚目の佐田の海(32=境川)が、ほぼ左目が見えない状態で勝った。過去2勝7敗と分が悪い同11枚目の錦木(28=伊勢ノ海)を寄り切り。鋭い立ち合いからもろ差しを決めた。

本人は多くを説明しようとしないが、4日目の琴勇輝戦で張り手を受け左目を打撲。まぶたが上がらず、視界が狭くなっていたが、立ち合いでも頭からかましていった。「あそこ(土俵)に上がったら、やるしかないですから」と恐怖心を打ち消し、白星につなげた。

境川部屋の力士は特に、ケガを言い訳にしない。「病院にも行ってません。二重に見えるわけでもなく、痛みもない。ただ腫れているだけ。気にしていません」と淡々と振り返った。