大相撲の夏巡業は6日、東京・立川市で行われ、白鵬(34=宮城野)と鶴竜(33=井筒)の両横綱ら参加力士が、ゴルフのAIG全英女子オープンで優勝した渋野日向子の快挙を祝福した。

白鵬は生中継での観戦はできなかったが、ゴルフ好きを公言しているだけに「結果は見た」と話し、プレー内容は伝え聞いていたという。その上で「今度会って、手を握ってみたいね」と、モンゴルから来日した自身と同じく、海を渡って成功したアスリート同士、対面して握手したい希望を語った。

白鵬は特に、優勝を決めた最終ホールのバーディーパットについて絶賛した。「最後のパットは、相撲の立ち合いに似ている。立ち合いを落としたら負ける。その緊張感に近いものがある」と表現。その中で、思い切りの良さと冷静さで決めた勝負強さに「どちらかだけでなく両方っていうのがね。ハタチにして横綱、大関相撲。すごいね」と、うなった。

鶴竜は、5日の午前3時ごろまで、数時間にわたって生中継をテレビ観戦したという。「見始めた時は2打差でリードされていたけど、10番でバーディーパットを決めて『いける』と思って、気付いたら3時になっていた。最後のバーディーパットを決めた時に、1人で『おーっ、スゲー』って思わず叫んじゃった」と、興奮気味に振り返った。特に目を見張ったのが「修正能力が高い」と評する精神力だという。「カメラ目線になって、おかしを食べるとか、いつも通りに笑顔。普段通りにやるのが大事なのかな」と、追いかける展開でも慌てず、マイペースを貫く姿に感銘を受けていた。

鶴竜はさらに、テレビ中継で解説を務めていた樋口久子氏にも注目。日本人女子として42年ぶりのメジャー優勝だったが、その前回優勝者の解説に「やっぱり優勝した経験のある人の言葉は違う。次々と、解説で樋口さんの言っていた通りの展開になって驚いた」と感服していた。

両横綱はこの日、渋野の活躍に刺激を受けたように、朝稽古から積極的に汗を流した。白鵬は前頭佐田の海に、鶴竜は前頭正代に胸を借り、ぶつかり稽古を行った。7月28日に始まった今回の巡業で、初めてぶつかり稽古を行った鶴竜は「徐々に。来場所に向けての体づくりを始めようかな、という感じ」と、2場所連続優勝のかかる秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)を見据えていた。

また、女子プロゴルフの比嘉真美子と婚約中の十両勢も「あの笑顔ですよね。すごい。僕も、つらい時こそ笑える強さを身に着けたい」と、たたえていた。