序二段の優勝争いは、西98枚目の碧海浜(24=出羽海)と東16枚目の元林(23=鳴戸)による、千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

碧海浜は6戦全勝同士の対戦で、西48枚目の佐田ノ華(22=境川)を当たって突き起こしてからの引き落としで破り7戦全勝とした。今年1月の初場所後に、痛みが蓄積してた左足首を手術。3月の春場所から夏場所、名古屋場所と3場所連続全休で臨んだ復帰場所でもあった。それだけに「ケガさえしなければいいと思って(今場所は)土俵に上がっていました。久しぶりの相撲を楽しんで取れました」と妙に気負うことなく上がり続けた。部屋の関脇御嶽海から「土俵下にいる時から勝負は始まっている」「気持ちを強く持て」「勝って当たり前ぐらいの気持ちでやれ」などのアドバイスをもらっている。「メンタル面で応援してくれる。今日も『勝てよ』のひと言だけでしたが、それだけで十分でした」と意を強くしての土俵だった。

その約30分後に土俵に上がった元林は、三段目で6戦全勝だった藤乃若(24=藤島)を、立ち合いの圧力で押し込んでからタイミングのいい引き落としで下し、こちらも7戦全勝とした。近大を卒業し、年齢制限緩和措置が取られての入門で5月の夏場所が初土俵。7月の名古屋場所で初めて本割の土俵に上がり、鳴戸部屋勢3人による同部屋優勝決定ともえ戦を制し、7戦全勝で序ノ口優勝デビューを飾った。そして今場所も序二段で優勝決定戦。本割の連勝を14に伸ばした元林は「1年半で関取になりたいと思っています。まだ圧力がないから、下から下からの相撲を心がけたい」と言う。場所前の二所ノ関一門の連合稽古では、納谷や琴手計といった幕下上位とも互角に近い稽古を積んでいた。アマ時代には大関復帰が決まった貴景勝とも対戦し2勝2敗。その貴景勝を「目標の力士」に掲げており「いずれ対戦できるようになりたい」と抱負を語った。