平幕の徳勝龍(33=木瀬)が、幕内で過去6戦全敗だった千代丸を破って首位を守った。相手のもろ手突きで後退したが、左に逃れて土俵際で突き落とした。

支度部屋では「余裕はなかった」と一息。00年の貴闘力以来、史上2度目となる幕尻Vの可能性を残すベテランは「(優勝の意識は)全然っすよ。まだ勝ち越したばかり。一番一番です」と色気を出さなかった。

勝ち越しを決めた翌日の取組だったが「勝ち越して終わりと言われたくなかった」と、気を緩めなかった。師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)も「勝ち越したら性格的に乗っていくと思う」と期待を寄せる。新入幕だった15年初場所以来となる2桁白星に王手。しこ名の「勝」は、18日に亡くなった母校の恩師、近大相撲部監督の伊東勝人さんからもらっている。「変な相撲を取ったら笑われる気がした」と気合十分で臨んでいる。