大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が28日、大阪・堺市の尾車部屋で行われ、この日30歳の誕生日を迎えた西前頭筆頭高安(30=田子ノ浦)が、存在感を発揮した。

大関貴景勝に指名された三番稽古で10番取り、7勝3敗。馬力のある貴景勝に当たり負けることなく、左四つに組み止めるなどして対応した。高安は「内容は良かった。自分の相撲が戻りつつある感じ」と好感触をつかんだ。

春場所では約4年ぶりに平幕へと陥落する。「力不足で落ちた。過去のことは過去のこと。今どうするか考えて、また上を目指して勝負したい」と力を込めた。

気づけば30歳になった。「月日はあっという間に過ぎていく。ここから10年、20年とやるわけではない。勝負をかけていきたい」。1場所での大関復帰を目指した1月の初場所では、けがの影響により本来の力を発揮できず、6勝9敗で負け越した。「場所前から稽古をしたつもりでも圧力がなかった。けがの影響もあったけど、精神面で絶対に負けないという自信がなかった」。初日まで9日。大関経験者として、春場所では意地を見せるつもりだ。