協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)が、1敗でトップに並んだ“新旧大関対決”の13日目の直接対決に注目した。

この日の結びの一番で、1敗でトップに並んでいた横綱白鵬が、関脇御嶽海に敗れ2敗に後退。さらに逆転の突き落としを食った際に痛めたのか、膝をかばうようにして歩く姿に「う~ん…」と一呼吸置いて「(白鵬の)足がどうなるか分からないけど、照ノ富士と朝乃山の一番が大事になってくる」と、優勝争いの鍵を握る一番と位置付けた。仮に白鵬が休場でもすれば、この2人の直接対決に勝った方が、優勝賜杯に近づきそうだ。

直接対決がどんな相撲になるかは、結びの一番前に朝乃山が勝った時点で八角理事長は思い描いた。「がっぷりになると照ノ富士の膝が心配だけど」と憂慮した上で、右の相四つ同士の対戦で注目する点として「上手の取り方だろう。浅く取った方が有利じゃないかな」と見通した。さらに「(上手の)いいところを取って切らせないようにしないと」と左上手をキーポイントに挙げた。「朝乃山が、元大関とは取りにくいのでは?」という報道陣の電話取材による問い掛けには「逆に、まわしは取れるから、そのへんは大丈夫じゃないか」と答えた。

元大関の意地と、新大関の自覚がぶつかる大一番だ。「自分が大関なんだと、どっちも精神的には負けていないから面白くなる」と八角理事長。幕尻の元大関(照ノ富士)と、日の出の勢いの新大関(朝乃山)の激突。にわかに“優勝決定”の一番になるかもしれない好カードに期待を込めた。