2場所連続休場中の横綱鶴竜(35=陸奥)が27日、7場所ぶり7度目の優勝を目指す大相撲11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)に向けて、近況を語った。

この日の朝稽古後、報道陣の電話取材に応じた。この日は、部屋の関取で自己最高位の東前頭筆頭に番付を上げた霧馬山が、肩の状態不良で稽古を休んだため、鶴竜は四股などの基礎運動と、土俵に入っての稽古は若い衆にぶつかり稽古で胸を出す程度にとどめた。腰の状態は「まあ、ボチボチ。いい感じと思う」とし右肘の状態については「負担がかかったり痛めたりしないように注意してやるしかない」と話した。11月場所の出場については、ギリギリまで判断を待つといい、その判断基準は「相撲を取ってみて、だと思う。いつもやっていることが、できているかどうかだと思う」と話した。

コロナ禍で通っているジムにも行けず「ルーティンじゃないけど、そういうものが崩れる」と不安も口にした。横綱の重責から「しっかり土俵に立ってやらないといけない」と言い聞かせた。一方で、3人の子どもたちと「一緒に過ごせるから楽しくはやっている」と息抜きにはなるようだが「自由に(外に)出られないというのはしょうがない。(第3子が)生まれたばかりで、より気を使う」と不自由さも感じる。自宅の目の前の公園に行くのが、現状では最善の息抜きになっているようだ。前日はインフルエンザの予防接種を部屋全員で受けたという。

横綱審議委員会(横審)からは、秋場所後の定例会合で厳しい意見があり、師匠の陸奥親方(元大関霧島)からは「次の場所に進退も」という言葉があった。それについては「(その意見を)覆すには結果しかないんでね。あとはもう言われても仕方ない状態ですからね」と話した。

大好きなバスケットボールのNBAファイナルは「少しだけ携帯で見た」という。同じ35歳のレブロン・ジェームズ率いるレーカーズが17度目の優勝を果たしたが「だいたいもう勝つだろうなと思って見てたから面白くなかった」。同じ35歳が第一線で活躍していることには「もちろん、他の業界というか、そういう頑張ってる人というのは、刺激というね、負けられないというのはありますけどね」と刺激にはなっているという。一年納めの場所でもあり「元気な姿を(自分も)見せるしかないですよね」と奮起を誓った。