新型コロナウイルスに感染して秋場所を休場した東十両14枚目富士東(33=玉ノ井)が、2場所ぶりに本場所の土俵に復帰した。

下からあてがって西十両14枚目千代の海の突きをしのいだが、耐えきれずに押し出されて黒星発進。初日を飾ることはできなかったが「動き自体は悪くなかった」と、前向きに振り返った。

秋場所前に新型コロナウイルスの集団感染が判明した玉ノ井部屋は、全力士が同場所の休場を余儀なくされた。感染して38・5度の発熱があり、10日間入院したという富士東は「まさか自分がなるとは思わなかった。軽症で済んで良かった」と振り返る。退院2日後には稽古場で四股を踏める状態に回復。「体の衰えは感じなかった」と安堵(あんど)した表情を見せた。

秋場所は負け越し扱いだが、コロナ禍の“救済措置”として番付は据え置かれた。富士東は「理事長をはじめ親方衆には感謝しかないです。土俵に立てることが、僕たちは一番うれしいこと」と、かみしめるように語った。